イメージトレーニングは超リアルでなければ意味がない!

  • 2020年7月28日
  • 2020年7月9日
  • 投資
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イメージトレーニングは超リアルでなければ意味がない

こんなイメージをしてください。当日の朝、家の玄関を出た瞬間からあなたは落ち着いています。その穏やかな気分を、空港でも、チェックインカウンターで係の人と言葉を交わすときも、機内でも、同僚と最後の確認をするときも、感じ続けています。

あなたは、タクシーの運転手に、街の最新ニュースについてたずねます。地元のサッカーチームが週末の試合に勝ったかをたずねてください。出張中は繰り返し、このときをずっと楽しみにしてきた、と自分に言い聞かせること。必ず成功するぞ、と。肩をいからせ、腹から息を吸って、笑顔を浮かべて、史上最高のピッチをするのを楽しみにするのです。

自分の姿をイメージしてください。

本社に入っていく自分の姿をイメージしてください

「玄関の様子は?」

「大きなガラス張りのドアで、黒い革張りの家具を置いた広間があります。受付は部屋の端にあり、壁に企業のロゴマークが飾られ、数人の係がいます。私は背筋をぴんと伸ばして、自信たっぷりに歩いていきます」

「胃のあたりはどんな感覚ですか?」

「落ち着いています」

「自信たっぷりに、力強く歩く自分の姿が見えますか?」

「はい」

「エレベーターのなかで同僚と軽い会話をしている自分を想像してください。会議室は何階ですか?」

「一四階です」

「どんなエレベーターですか?」

「鏡ばりです」

「エレベーターのなかで、どんな言葉をつぶやきますか?もう一度、声に出してください。この時点であなたの『外交スイッチ』を入れるのが大切です」

「『みんな、今日の仕事はうまくいくぞ。準備は万端だ』」

「エレベーターに乗り込むときは、『俺はタフな男だ!』と言ってください。会議室に入っていくところをイメージしましょう。最初に誰に挨拶しますか?呼吸はどうですか?」

「最初にCEOに挨拶します。深く、落ち着いた呼吸です」

「握手はしっかりと?」

「ええ、力強く」

「軽く頭を下げますか、まっすぐに相手の目を見つめますか?」

「まっすぐ目を見つめます」

「相手の外見は?」

「いつも濃い色のスーツです。ネクタイはたいてい赤色です。はげ頭です。鋭い、青い瞳をしています。いかめしい表情です」

「本題に入る前に、くだけた会話をしますか?」

「ええ、いつも」

「彼はどんなことを?」

「会社までの道のりについて。それから、タクシー代金について、自分がこの会社で働き始めたときの三倍だという話を。窓からの眺めを自慢するのが好きで、遠くに見える川の話をします」

「肩慣らしの絶好のチャンスですね。話しかけて、質問をしてください。あなたのチームの話し上手な人のうしろに隠れずに、あなたが話すのです。すると調子が出てきます。くだけた安全な環境のなかで、ウォーミングアップができました。

タクシーの運転手から聞きだした地元チームの勝利について、話せますか?

次の試合ではキーパーを交代させたほうがよさそうだ、とつけ加えてもいいですね。

私は、スピーチやプレゼンであがらないようにしたい人には、いっぺんにいろんなことをやろうとせずに、最初は誰か安全そうな人に波長を合わせるように指導しています。徐々に成果や前向きな反応が積み重なると、自信が出てきます。あなたの最大のファンはあなた自身だということを忘れないでください。雑談を終えたら、『うまくやったぞ、ニルス』と心のなかで褒めてください。さあ、座りましょうか?」

「はい、先方が座ったあとに。まず私はスーツの上着のボタンを外します」

「椅子の座り心地はどうですか?」

「快適です。革張りです。もたれるとリクライニングになります」

「どう座りますか?」

「最初は浅く腰かけて、両手をテーブルに置きます」

「いいですね。座りながら、心のなかでどうつぶやきますか?」

「私には十分な知識がある。私の専門分野だ。私はM&Aの達人だ」

「いいですよ。余裕のある笑顔を浮かべてください。動くときは落ち着いて。落ち着いて動作すると、気持ちも落ち着きます。座った後、最初に話すことはなんですか?最初にCEOを見て、話しながら視線をずらして他の人を見るようにしてください」「本日我々とのミーティングの場をいただいたことを、弊行を代表して感謝いたします。さっそくプレゼンテーションを始めさせていただきます」

「はい、抑制のきいた低い声ですね、いいですよ!まだ少し緊張していたら、どうしますか?」

「この緊張は有益だ、緊張のおかげで精神が研ぎ澄まされる、と自分に言い聞かせます。心臓の鼓動、発汗、身体の震えに意識を傾け、以前にこれより過酷な状況を乗り切ったじゃないか、と考えます。ひとりでアメリカ行きの飛行機に乗ったことを思い出し、『俺はタフな男だ!』と」

 

相手の目をまっすぐに見てください。引き続き、ミーティングの最後までその調子で。あなたの望む方向に運ぶようイメージしてください。音やにおいもすべて思い描いて。最善にことが運ぶはずだという意識を忘れないで。予測できないハプニングが起きたときと、あらゆることが完璧だったときを何度かイメージして。最後の数回のリハーサルでは、ダメ出しをしないでください。もう完璧なはずですから」

「毎日自分に『ドイツでのピッチが楽しみだ。必ず成功する。そうなるはずだ』と言い聞かせてください。心から思っていなくてもかまいません。イメージトレーニングを一〇~一五回行うと、精神的に余裕が出ます。一度のイメージトレーニングにつき一五分ほど費やすと、準備は十分です。静かな場所で、座り心地のいい椅子に座って、目を閉じてください。大きなスクリーンに映画が映し出されるようにイメージします。

カメラのファインダーをのぞいて自分に焦点を当てるようにすると、クライアントからどう見られたいかがわかります。ピッチを始める自分を思い描いてください。この準備が整ったら、ミーティングの内容について集中できます。あとは流れのままに進むでしょう」

後日、ドイツでの営業トークのあと、ニルスが電話をしてきて、上出来でした、と誇らしげに報告してくれた。完璧ではなく、多くの課題はあるものの、格段に改善したそうだ。私のオフィスでは、その後も引き続きニルスのセッションを行い、ロールプレーでプレゼンのリハーサルをすることに集中した。

何度もミーティングを経験することで彼の自信を高め、まったく違う領域で少し無理をさせることで、さらに自信をつけさせた。とりわけ、プレゼンテーションのテクニックと話の締めを練習し、俳優を使って動画を撮影した。同時に彼のメンタル面をフォローした。

ニルスは、前夜に眠れないときがあるという小さな課題だけを残し、自分のメンタルコントロールにおいて満足のいくレベルに到達した。さらに上のレベルを目指すのも難しくない。次のレベルとは、モード・トレーニングによって、望ましい状態にすばやく入ることだ。